相続登記義務化の方向へ

相続した家の登記怠るとトラブルが発生する場合も!

政府が「相続登記」を来年の法改正により義務化する方針だとの記事を読みました。所有者不明の土地・家屋の増加を防ぐのが狙いらしいですが、そもそも相続登記とはどのようなものでどんな影響があるのでしょうか。

相続に伴い不動産の所有名義を変更する手続きを相続登記といいます。例えば親がなくなり、その土地や建物を子供が相続した場合に法務局に申請し、不動産登記簿上名義を書き換えます。

しかし、現在は法的義務がなく申請期限もありません。名義を変えなくても直ちに不都合が生じるわけではありませんが、地方にあり資産価値が低い不動産などは親から引き継いでも名義を変えずに放置する人がいますが、登記費用や固定資産税などの負担を嫌って登記を怠る例もあります。

何世代にもわたって相続登記が先送りされた結果、所有者を特定出来ない土地家屋が全国で増えており、面積を合計すると九州を上回るとの試算もあり政府が対策に乗り出した次第です。

名義を変更しないといつか困った事態になりかねません。ある家族のケースで、父の死後自宅を長男が所有して高齢の母と一緒に住むことになりました。次男と円満に話し合った結果であり、遺産分割協議書は作らず相続登記も行いませんでした。

ところがある日次男が急死したことで残された妻が先行き不安となり、自宅の一部を分けて欲しいと要求するようになりました。妻は法定相続割合に応じて受けとる権利が生じましたが長男は要求を断り争いになりました。

もしも長男が相続登記を済ませ、自宅を自分の名義に変えていたらこんな問題には発生しなかったはずで、所有権が移転済みであることを登記簿によって証明できるからです。

 

故人名義のままだとこんなトラブルも

 

家を売却したくても契約書を作成出来ない

家を担保に借金したくても銀行が応じてくれない

他の法定相続人が心変わりして財産分与を求めてくる

法定相続人の数が次第に増えて遺産分割協議が困難に

隣地との境界確定が難しくなりお隣に迷惑を掛ける

何らかの理由で家を手放す際にも問題が発生、名義が故人のままだと売却したくても契約書を作れない、自宅を担保に融資を受けたいときも同様で、故人名義では銀行はお金を貸してくれません。

相続登記では遺産分割協議書の添付が必要になります、すべての法定相続人が遺産の分け方を話し合って署名実印押印し、年月が経てば親族の範囲が広がって法定相続人の数が増えるのが通常で、面識のない相続人が多くなり協議書作成が難しくなり、子や孫世代になると話し合いは困難になるでしょう。

お隣りが土地の境界確定を求めてきたとき登記名義が故人のままでは直ちに応じられません。税金や修繕の負担を背負いたくないからと相続登記をしない人もおりますが、所有者不明土地がこれ以上増えないよう相続登記は義務化される方向です。

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