暮らしに身近のコンビニが介護拠点に

埼玉県川口市末広3丁目のローソンが1号店

近くのコンビニが介護の拠点に。介護相談を受け付けたり、介護用品の販売に重点を置いたりするコンビニの設置が各地で進んでいる。

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」を念頭に、全都道府県で事業展開を目指す企業もある。

高齢者への日替わり弁当宅配サービスなどを手掛けるコンビニが登場する中、ローソンは介護を必要とする人とその家族に標準を合わせた店舗「ケアローソン」を15年4月に開設、現在9店舗に達する。相談窓口、ケア用品売り場の他、高齢者の交流の場を併設し、「介護関連のニーズにワンストップで応える」戦略を描き、25年の全国出店に向け、17年までに都市部を中心に30店舗に拡大する方針とのことである。

ローソンとウィズネットがオープンさせた埼玉県川口市末広3丁目11番17号「ローソン川口末広三丁目店」で介護事業者がフランチャイズオーナーとなって運営する「ケアローソン」の1号店。表看板に書かれた「介護相談」の大きな文字が目立ち、通常の店舗に比べ10㎡ほど広い店内の一角には、介護の専門職のケアマネージャーが朝から夕方まで常駐。ケアの悩みや介護保険制度に関する疑問など、幅広く相談に応じており、必要があれば近隣の介護事業者への橋渡し役も担います。

店内には、通常の店舗で扱う食料品や日用品に加え、介護用おむつや歯茎でつぶせる柔らかさのレトルト食品などがずらりと並び、飲料用の棚は開き戸をなくし、車いすの利用者が通行しやすいよう配慮、お年寄りの使い勝手を考え、買物用カートはかごやハンドルの位置が低い。

健康器具を備えた交流スペースでは、筋力測定のイベントを定期的に実施し、相談窓口勤務の介護福祉士の職員さんは「ここは自宅と介護施設の中間的な役割を担う場所、リハビリの一歩手前の段階ですね」と説明された。

同社は、地域に根ざしたコンビニであれば、顧客が店員や介護専門職と顔の見える関係を築くことができ、地域の見守り機能強化にも一定の効果があるとみており、店舗展開に関しては、ケア関連の業務を受け持つ介護事業者と連携しております。

厚労省は、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、医療や介護、住まいなどを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の整備を進めており、コンビニの介護拠点化を地域包括ケアの一躍を担う動きとして注目しております。

 

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