来年度川口市立夜間中学開校へ

未卒者・外国人向けに開校!

川口市の奥ノ木市長は9日、適齢期に学べなかった人や外国人が通う公立の夜間中学校について毎日新聞の取材に応じ、市内に設置する意向を明らかにした。奥ノ木市長は「川口市は自治体で最も多くの外国人が居住しており、公立の夜間中学を早急に設置する意味は大きい」と述べ、早ければ、川口市が中核市への移行を目指す2018年にも開校したい考えのこと。

埼玉県内での公立夜間中設置を巡っては、県と11市で作る「中学校夜間学校関係市町村連絡協議会」で議論が始まっている。奥ノ木市長は、市外から通う生徒について「今後、運営費の分担などを県と協議したい」と語った。

学校の設置候補地については、交通の便を考慮しJR蕨駅近くにある旧市立芝園小(既に閉校)の教室などを挙げ、教職員は県から派遣を求め人件費を除く学校運営費は年間数千万円と見込んでいる。

公立夜間中学校の設置に関しては昨年12月、国会で各県1校の設置などを求める「教育機会確保法」が成立し、これまで公立の夜間中学がなかった道県を中心に設置を求める動きが強まっている。

文部科学省が15年に公表した実態調査によると、公立の夜間中学は全国の8都道府県25市区に31校あり、計1849人が通っており、生徒の8割が外国籍であります。一方ボランティアが運営する自主夜間中学は全国の154市区町村に307校あり、生徒数は計7422人だった。

川口市では、30年以上前から「埼玉に夜間中学を作る会」が設置運動を続け、元教員や会社員らのボランティアが「川口自主夜間中学」を運営してきた。適齢期に学校に通えなかった人や不登校生徒、外国人らが学びこれまでに1000人以上が「まなびや」を巣立っている。

広域での受け入れを!地元関係者期待寄せる

川口市が公立夜間中学を開設する方針を明らかにしたのを受け、地元の関係者からは歓迎の声が上がった。1985年に設立された「埼玉に夜間中学を作る会」の発足当初からのメンバーで現代表は「教育機関確保法案が可決されたので、行政は動かざるを得ないと思っていたが、こんなに早く具体的な動きになり驚いているとのこと。生徒は川口だけでなく広域から受け入れてほしい。学びたい人はたくさんいるので喜んでいる」と期待を寄せていた。

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