令和8年度税制改革の要点
■ 1.個人所得税・控除制度の見直し(家計・低・中所得者配慮)
令和8年度税制改正では、所得税の負担調整として基礎控除や給与所得控除の引上げが実施されます。基礎控除については現行水準から増額が図られ、年収に応じた“税の壁”とされる収入ラインが実質的に引き上げられる方向です。これによりパート・アルバイト等の就労収入と税負担の関係が緩和され、働く世代の家計負担軽減につながります。
また、住宅ローン控除等の個人向け税制についても見直しが進められており、中長期的な住宅取得支援策の見直しが検討されています。
■ 2.法人税・投資促進税制(国内投資支援)
法人税では、経済成長と設備投資の促進を目指し、新たな生産性向上設備等への投資促進税制が創設されました。企業が一定の生産性向上設備を取得した場合、即時償却や税額控除が選択できる制度が導入され、大胆な設備投資を後押しします。
研究開発税制(R&D税制)についても、適用要件や控除率の見直しが図られるなど、イノベーション促進と技術開発支援が強化されます。
さらに、中小企業向けには事業承継税制や賃上げ促進税制の継続・拡充が盛り込まれ、インボイス制度下での配慮(納税負担の軽減措置)も継続されます。
■ 3.消費税・国際取引・電子商取引対応
消費税では、国境を越えた電子商取引に対する適正税負担確保の観点から規定整備が進められます。これは外国事業者の電子サービス販売等への課税適用を明確化し、公平性の向上を狙ったものです。
■ 4.資産税・相続税・不動産関連
資産税では、主に相続税・贈与税における不動産評価の見直しが行われます。これにより、評価方法が現行制度から修正され、富裕層の税負担の適正化と資産移転の透明性を進める狙いがあります。
また、土地オーナーや賃貸不動産に係る評価や課税関係についても見直し要望があり、将来的に税負担に影響する可能性があります。
■ 5.公平な納税環境と経済の持続可能性
改正大綱では租税特別措置の廃止・整理を含めたメリハリのある税制設計が掲げられています。特定措置の廃止により税負担の公平性を高めるとともに、税制全体の簡素化・見直しが進められます。
高所得者層への課税の適正化や、資産運用に関する税制調整等も改正対象に含まれており、税収基盤の安定確保と持続可能な財政運営が意識されています。
■ 6.その他
■ まとめ
令和8年度税制改正は、「家計の負担軽減」と「企業の成長支援」という二つの大きな柱で構成されています。個人の所得控除の拡充、中小企業の投資促進、研究開発支援、資産税の見直し、電子取引への対応など、多岐にわたる改正点が含まれています。与党税制大綱を基にしており、今後国会での審議を経て確定するため、詳細な適用時期や具体的数値は最終法令を確認してください。